カテゴリー: KindBoss Chronicles

AI を駆使して仕事と人生を完全没入型ゲームに変える、フルダイブ・ゲーミフィケーションの実践記録。本シリーズは Note マガジン『仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた』で連載中。

  • Note記事:【EP21】DAY167-DAY175:そのOKは、音のOKだった

    EP20 では、Day 158 から Day 166 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、確かめる相手を選び直した9日間。やったことを点数に換算し、貯まればレベルが上がり、節目ごとに段位が変わる。毎日出している短い動画の再生時間は、直近28日で集計すると増えていたのに、7日に縮めて測ると前の週より64パーセント減っていた。減りはじめたのは、説明欄の1行目の文を変えた日から。説明欄を組み立てる仕組みは読んでいたのに、流し込まれる文そのものは見ていなかった。確かめるときは、実体——名前でも、集計でも、要約でもない、確かめられる現物——のほうを出してくる、と決めた巻だ。Lv62 だった。

    この EP21 は、その続きの9日間。Day 167 から Day 175 までの記録である。

    この9日間の話は、確かめるより手前——言葉や数字が相手の手に渡った時点で起きていたことだ。この巻の言葉は受け取られ方——言った側がどういうつもりだったかではなく、受け取った側が、それを何として読んだか。相手は AI のことも、Hiro 自身のこともある。Day 167、AI は、読み上げの合成音声が語の終わりの上がり下がりを外したかを数字で判定し、「浅く下がっている」を「外れている」と読んでいた。聴き比べると、浅くても下がって終われば耳には下がって聞こえる。境目は落差の浅さではなく、終わりの向きだった。同じ出来事にどんな意味を付けるかは、受け取る側で決まる。それを自分の側から使う考え方は、人の目が気になるのは、欠点ではない——意味は、いつも自分が決めているで解説している。

    Day 168、毎朝開く、進行中の案件を並べた一覧で「Hiro の判断待ち」と書かれた34件を1件ずつ実物に当てると、14件、41パーセントがすでに済んでいた。行を書くのはその日に作業をしていた AI で、作業を終えるのは別の日の Hiro か、別の AI。その行は開かれるたびに「いまも待っている」と読まれ続けた。一覧の膨らみを見張る点検も前からあり、警告は出ていたが、読む人がいなかった。Day 169 は、一分半の動画を公開用の滑らかな版で書き出すのに25分かかっていた話だ。パソコンの性能が決めた時間だと受け取っていたが、決めていたのは作り方だった。映像の圧縮を専用の回路に任せて252秒へ。場面ごとに作って最後に繋ぐ形に変えて、一場面の直しはおよそ30秒になった。

    山場は Day 170。前日の動画の音の直し6点を聴いて AI に「OK」と返すと、AI は公開用の書き出しから YouTube への非公開送信まで進めていた。Hiro はまだ、映像と音を合わせた最終の版を見ていない。「私が OK したのは、音声の OK です」。同じ朝、場面ごとの映り方に返した「Good」に続いて二度目だった。同じ日、音の小さな揺れを場面末尾の無音で埋め合わせる仕組みの呼び名「尺(場面の長さ)のロック」を、別の AI が「場面の長さを固定した」と読んで記録に書いていた。サイトでも、昔の住所(URL)を受け止めるつもりの転送の条件が、存在しない住所すべてに当たっていた。不審なアクセスを止める設定の「AI の検索ロボットは許可」の一行は、そう名乗るもの全部を通していた。

    夜までに、まとめて直した。言葉や設定がどこまでを指すのかを、受け取る側の読みに任せず、こちらで決めて書き残す。承認は演出・音・最終の段ごとに、Hiro の言った言葉のまま記録し、最終の承認が無ければ、書き出しも送信も仕組みのほうが止める。転送は実在した昔の住所12種に限った。Day 175 には、動画を作る手順書の「字幕とナレーションは同じ内容にする」が「同じ文にする」と読まれ、字幕が読み上げと一字一句同じになっていた。直す途中で、最後の場面の字幕が音声より4秒遅れて出ていたことも分かった。ひと月近く前に作った、字幕の出し方を決める設定のひな形の4.2秒が、全回に引き写されていた。全部が同じ値だったから、誰も疑わなかった。揃っていることは、正しいことの証拠にならない。

    この9日間、レベルは一つも上がらなかった。連載で初めての、レベルが上がらない巻だ。得た点数は合計67,536、一日あたり7,504。レベルに要る点数は一日18,000点を積む前提で決めてあり、二つ前の巻の9日間はそれより3割多く、前の巻は6パーセント多く、今回は4割ほど。値は集計する9日ごとにこれだけ動く。レベルの表を四度目に作り直すかどうかは、まだ決めていない。三つ前の巻から、確かめ方を作り、決まりの出所を辿れるようにし、確かめる相手を実物にしてきた。この巻で足したのは、渡した言葉の範囲を、受け取る側が読める形で残し、機械に守らせる一手だ。Lv62 の賢者のまま。Day 167-175、そのOKは、音のOKだった。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP21|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY167-DAY175:そのOKは、音のOKだった ── 9日でレベルは据え置き、言葉の受け取られ方を確かめ直した9日間


    ▼ マガジン全話一覧「仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた」
    https://note.com/kindboss_hiro/m/m4307ead0ed4d

    ▼ シリーズの起点・統合プロフィール記事
    https://note.com/kindboss_hiro/n/n9861b7b58389

    💡 この考え方を実践している冒険記録がある
    フルダイブ・ゲーミフィケーション実践家がAIと一緒にゼロからビジネスを積み上げる全記録。
    筆者: 岩渕 由博(いわぶち ゆきひろ)
    株式会社グロースブリッジ 代表取締役
    ▶ 法人HP / ▶ LifeGame / ▶ X / ▶ Note
  • Note記事:【EP20】DAY158-DAY166:名前は読んだ。中身を見ていなかった

    EP19 では、Day 149 から Day 157 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、決まりを見直した9日間。やったことは1件ずつ数えて点数に換算し、貯まればレベルが上がり、節目ごとに段位が変わる。動画に使う絵に「模様が細かく字幕が埋もれるから、字幕の出ない場面にしか使うな」という制限が七つかかっていた。誰が、何を見て決めたのかを遡ると、決めた人はいなかった。AI が根拠も付けずに書いた所感が、守るべき決まりとして読まれていた。だから決まりの一つひとつに、誰がいつ決めたかを書く欄を足した。誰が、何を見て決めたのか——その出所を辿れるようにした巻だ。Lv61 だった。

    この EP20 は、その続きの9日間。Day 158 から Day 166 までの記録である。

    欄は作った。この9日間で出てきたのは、その手前の話だ。Hiro が「確かめた」と言うとき、当てていた相手は実物だったのか。この巻の言葉は実体——名前でも、集計でも、要約でもない、確かめられる現物のこと。Day 158、YouTube に毎日出している縦長の短い動画で、読み上げの声と背景の音楽の重ね方を変えた。重ねる前の素材を測ると、声が音楽より6デシベル大きい。設計どおりで、合格と記録した。ところが聴くと、声が音楽に沈んでいる。音量を測る仕組みは、重ね終わった全体を一つの値で返す。中で声が小さくなり音楽が大きくなっても、総量は合う。実際の差は3デシベルまで詰まっていた。「何を観測するか」を先に決める考え方は、ゲーミフィケーションで自分を観測するで解説している。

    Day 159、AI が作った読み上げの異音の直し候補が、三つとも同じに聞こえた。手順書には、直したい語を含む文ごと、全文から合成して鳴らせと書いてある。AI はそれを言い換えて使い、三つとも外していた。言い換えた文には、抜けた印が残らない。Day 160、Hiro が完成前の動画を見る直前に自動で走る点検を書いた。この点検を書く理由になった事故——画面の端に通りすがりの旅人の肩が映り込んでいた——を作り直して掛けると、一件も引っかからない。絵の左端を0、右端を1とすると、カメラが寄り切ったときに映る範囲の左端は0.42。絵のどこに何が写っているかを記録した台帳は、旅人を中心の一点 0.39 だけで持っていた。入り込んでいたのは、旅人の右端 0.45 だった。

    山場は Day 162。朝、Hiro は自分の手順書に、決めた覚えのない一行を見つける。「動画に添える音楽は、これまで使った曲の中から選ぶこと」。その朝の作業は、すでにそれに従っていた。毎日の作業記録を端から端まで探すと、出所は三日前に AI が計画書の表へ書いた叩き台だった。Hiro と話して確定した四つの項目と、その隣の叩き台一つを、同じ重さの決まりとして読んでいた。しかも確定していた側には「新しい曲を試さずにいると、在庫は永久に回らない」と、今回の判断を名指しで止める一文があった。読んでいたのに、今回に当てはめなかった。二時間後には、曲を候補から外していた理由も、前に AI が書いた覚え書きだったと分かった。

    昼、Hiro は問題の立て方を変えた。一行ずつ直しても追いつかない。夜は、短い動画を作るための手順書9冊、およそ3,800行を全件棚卸しした。決まりを言っている行を機械で1,070行抜き出すと、読んで確かに規則の形をしていたのが845行。そのうち出所を辿れなかったのが573行。一行ずつ「残す・移す・捨てる」の推奨を並べた表を作り、判断の分かれる27件だけを Hiro が決めて、全行の行き先が決まった。9冊は3,801行から1,380行へ。そして、書き換えても動画の出力は1ビットも変わらなかった。減ったぶんは、動画を少しも良くしていなかった。残した一行ずつには、誰がいつ決めたかを書き添えた。この日、レベルが61から62に上がった。

    Day 166、AI から届いた「動画が伸びない」という報告に、直近28日の集計を見て「落ちていない」と答えた。集計の期間を7日に縮めると、総再生時間は前の週から64パーセント減っていた。落ち始めたのは9月6日、説明欄の1行目へ「毎日ひとつ、短い動画を作っています」と入れてからだった。この9日間の点数は171,790、一日あたり19,088。レベルに要る点数は一日18,000点を積む前提で決めてあり、前の巻の実測はそれより3割多かった。今回は6パーセント多いだけ。3割は、9日という短い期間だけの値だった。確かめるときに、実物のほうを出してくる。その一手を足して、Lv62。Day 158-166、名前は読んだ。中身を見ていなかった。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP20|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY158-DAY166:名前は読んだ。中身を見ていなかった ── 9日で1レベル、確かめる先を実物へ戻した9日間


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  • Note記事:【EP19】DAY149-DAY157:その掟を、誰も決めていなかった

    EP18 では、Day 140 から Day 148 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、確かめ方を全部作り直した9日間。やったことは1件ずつ数えて点数に換算し、貯まればレベルが上がり、節目ごとに段位が変わる。作り直した確かめ方とは、作ったものが本当に働いているかを、作った側の言い分ではなく、出てきたものの側から確かめる手立てのことだ。台本に27枚入れた字幕が映像には15枚しか出ていないのに、エラーは一つも出なかった。27から15を引く工程が、どこにも無かった。絵の選び方を縛る決まりを遡ると、AI が作ったものが33件あった。段位は導師から賢者へ。Lv60 だった。

    この EP19 は、その続きの9日間。Day 149 から Day 157 までの記録である。

    初日、Hiro は動画の作り方を調べていた。毎日書いている記録を、60秒ほどの縦長の動画に作り変えて YouTube と Instagram に公開している。一枚の静止画を、寄る、引く、斜めに滑らせると動かして映像にする。カットごとの良し悪しを書き足してきた半月ぶんの記録では、斜めに滑らせた場面の評価が高い。良い動きの条件を数字で囲った型が、見つかりかけていた。その日、プログラムを調べると、斜めと書いた11の場面すべてが0.0度だった。角度を計算する部分は動いていて、その値が映像を組み立てる側へ渡っていなかった。条件を数えていた、その当の動きが存在していなかった。この9日間ずっと出てくる言葉を、一つ置く。出所——その決まりを、誰が、何を見て決めたのか。

    Day 150、少し前に出した動画4本の視聴の数字が取れず、成績を書き留めるファイルに「恒久に取得できない。確定」と書いた。夜、別の作業のついでに取りに行くと、全部取れた。配信先の集計が追いついていなかっただけだ。同じ日、もう一つ。動画の絵は架空の国を舞台に描かせていて、国の成り立ちを書いた設定資料がある。8日前、背景の絵に「この国は海のそばのはずなのに、海がない」と指摘した。AI が資料に書き込んだのは「その国に山を描かない」。一点の指摘が全体の禁止に変わり、AI はその規則を根拠に、公開済みの毎日の記録29本ぶんの見出し画像を別の絵へ差し替えた。29本は戻していない。直したのは、規則のほうだ。

    Day 153、絵を4倍の大きさへ変換していた作業フォルダを片付ける前に、中の画像を一点ずつ、動画づくりで実際に読み込む側の同じ絵と突き合わせた。一点だけ、記録してある寸法と中身が食い違う。開くと途中で切れていて、読み込む側の同じ絵も、同じところで切れていた。原因は変換したときの空き容量不足。重さでも、開くだけでも見分けがつかない。絵には目録——どの絵が何を描いたもので、どこに使えるかを書き並べた一覧——があり、この絵はそこにも作業の記録にも「正常」として載っていた。素材が足りているかの検査も「足りています」と答えていた。その検査が見ていたのは、ファイルが在るかどうかだけだった。

    Day 154、絵を一枚差し替えようとした。目録に「模様が細かい。字幕が埋もれて読めない」と書いてあったからだ。手が止まったのは直前で、実物に字幕を乗せて並べると、読めた。この一行を誰が決めたのか、目録の書き換えの記録を遡ると、書いたのは AI だった。根拠も付けない所感が、書いた日と読んだ日のあいだで掟——守るべき決まり——に化けていた。同じ型が7箇所。決めた人は、誰もいなかった。使いどころに制限の付いた絵は8点から5点へ減った。そして同じ日の午後、消したばかりの理由を AI がまた書いていた。止める方法は数を減らすことではなく、実物を出して並べることだった。頭の中で組んだ設計を、やってみて出た食い違いで直していく回し方は、ゲーミフィケーション実践の四段階で解説している。

    Day 156、声と音楽の釣り合いを耳で決めるのをやめた。屋外と静かな部屋で、耳は逆の答えを出す。代わりに世の中の広告を5本測ると、Hiro の動画の音楽は5本のどれよりも小さかった。音楽を上げ、声との差を12デシベルから5デシベルへ縮めた。翌日、読み上げの声に混じる「プ」という音を先に見つけたのは、耳のほうだった。自前の検査は高い音域だけを見ていて、低い「プ」は38箇所、見ていない側を通っていた。この9日間で積んだ点数は217,566。レベルは1しか上がらなかった。前の巻で必要点数を13,100から151,752へ自分で引き上げたからだ。Lv61。Day 149-157、その掟を、誰も決めていなかった。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP19|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY149-DAY157:その掟を、誰も決めていなかった ── 9日で1レベル、物差しを自分の外に出した9日間


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    💡 この考え方を実践している冒険記録がある
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  • Note記事:【EP18】DAY140-DAY148: 異常なしは、何も見ていなくても出る ── 9日で10レベル上がり、確かめ方を全部作り直した9日間

    EP17 では、Day 134 から Day 139 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、自分に有利な仕組みを自ら外した6日間。やったことは1件ずつ数えて点数に換算し、貯まればレベルが上がる。件数は始めた頃の4件から57件へ。これを速さ——一日に片づく件数が桁で増えたこと——と呼ぶ。そこへもう一つの加速が重なる。レベルが上がるほど、点数にかかる倍率も大きくなる作りだった。仕事をゲームにした人間がのめり込みすぎ、ゲームの側が保たなくなる——それが「ゲームを壊した」だ。Hiro は倍率からレベルの分を外し、Lv50 から先の必要点数を2倍にした。段位は熟練者から導師へ。Lv50 だった。

    この EP18 は、その続きの9日間。Day 140 から Day 148 までの記録である。

    初日、Hiro は動画の作り方を根本から入れ替えた。毎日書いている記録を、60秒ほどの縦長の動画に作り変えて公開している。その手順のほうだ。作り直せば、必ず見落としが出る。組み立てを途中で止める仕組みを四つ足した。たとえば、同じ絵を1本の中で二度使ったら止まる。いつもなら、ここで次へ進む。この日は進まなかった。検査に通ったことは、その検査が働いている証明にならない。一度も動かされていない検査は、何も見ないまま「異常なし」を返す。Hiro はわざと間違いを仕込んだ台本を四通り作り、四通りとも止まることを確かめた。以下、これを確かめ方——作ったものが本当に働いているかを、作った側の言い分ではなく、出てきたものの側から確かめる手立て——と呼ぶ。

    翌日、動画を最後まで見てもらうために三回続けて手を入れたのに、数字が一度も動かなかった理由が分かる。そのとき最も弱いところが、全体を決める。弱いというのは、そこで見るのをやめる人がいちばん多い、という意味だ。冒頭で最も抜けるなら冒頭が決め、途中で最も抜けるなら途中が決める。三回とも、Hiro が直したのは、そのとき弱くない場所だった。同じ日、読み上げに使う合成音声の一語がどうしても不自然で、五回作り直した。五回目に過去の記録を開くと、その語の読み方は、すでに二件書き残されていた。先に開いていれば、一度で済んでいる。どちらも、直す場所ではなく、見るべき場所のほうを間違えていた。

    Day 143、原稿を通す検査そのものが狂っていた。この連載の原稿は、公開前に、前提知識のない読者になりきるよう指示した AI へ通し読みさせ、意味の掴めない箇所を重い順に拾わせている。ところが、いちばん重い区分の定義が、手順書にある「そこで何が起きたのかを自分の言葉で言えない箇所」から「読み進められなくなる箇所」へすり替わっていた。別の検査だ。比喩の意味が分からなくても、読み進めることはできる。だから実態の掴めない比喩は一つも拾われないまま、10点満点で、通す基準を上回る9.88がついた。正しい定義で読ませ直すと躓きが出て、九回くり返してようやくゼロになった。検査は通っていた。その検査が使っていた物差しのほうが、曲がっていた。

    そして、この日についた点数がおかしかった。前日の3分の1だ。答えが出たのは翌日で、原因は働きの量ではなかった。作業ひとつを1件と数える、その区切りが、その日だけ変わっていた。前日94件、Day 143 は31件。同じ単位で数え直せば130件から180件のあいだで、本来つくはずの点数は実際の3.7倍から5.5倍だ。記録も集計も投稿も、すでに出たあとだった。数え直して付け直すことはしない、と決める。代わりに、1件の単位を手順書に書いた。整えるための検査は何本もあった。書いてあることが本当かを確かめる検査は、一つも無かった。行動を点数にして自分を測る仕組みは、ゲーミフィケーションで自分を観測する——HP・MP・EXPで成長を可視化する技術で解説している。

    Day 145、手順書の「24時間あけること」の出どころを遡ると、Hiro はそう言っていなかった。数字にしたのは AI で、守ったのは Hiro だ。翌日、絵の選び方を縛る決まりを全件遡ると、AI が作ったものが33件あった。同じ日、動画の冒頭に置く一行の採点で、最も配点の大きい項目が20回続けて同じ値を返した。採点ではない。定数だ。最終日、公開した動画で字幕が足りないことに気づく。台本に書いたのは27枚、映像に出ているのは15枚。エラーは一つも出ていない。入れた数と、出た数を突き合わせる検査が、どこにも無かった。レベルは60。導師から賢者へ。Day 140-148、異常なしは、何も見ていなくても出る。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP18|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY140-DAY148:異常なしは、何も見ていなくても出る ── 9日で10レベル上がり、確かめ方を全部作り直した9日間


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  • Note記事:【EP17】DAY134-DAY139: のめり込みが、ゲームを壊した ── 6日で9レベル上がり、レベルの仕組みごと作り直した6日間

    EP16 では、Day 122 から Day 133 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、撮影所——毎日書いて公開している記録を、60秒ほどの縦長の動画に作り変えるための手順とプログラムの一式だ——に、いつのまにか一日でいちばん長い時間を注ぐようになった12日間。効率のために建てた場所のはずが、手間はゼロに近づかず、増えた。それでも Hiro はそこに住みはじめた——道具として建てた場所が、毎日を過ごす場所に変わっていた。一日にやったことを換算した点数——経験値だ——は、初日の826から最終日の6,325へ、7.7倍になっている。節目ごとに変わる段位は、職人から熟練者へ。Lv41 だった。

    この EP17 は、その続きの6日間。Day 134 から Day 139 までの記録である。

    経験値の伸びは、この6日間でさらに急になる。初日、Hiro は動画の冒頭に置く一行の作り方を根本から捨てた。守るべき項目に順に丸をつけていく方式で AI に作らせていたが、その型で作った3本の成績は、上下で2.6倍に散らばった。指示を「感情を動かす言葉に変えろ」「これを上回るものを作れ」の2つに削り、1周につき1案を出させる。8周ぶんを並べて、気づいた。全部が「情報を正確に、短くする」方向へ収束している。感情を動かせと言ったのに、返ってきたのは整理された事実だった。指示は出した。届いたかどうかは、別のことだった。この日 Hiro が片づけた作業は57件。始めた頃は4件だ。以下、これを速さ——一日に片づく件数が、桁で増えたこと——と呼ぶ。

    翌日、追いかけてきた数字が初めて目標に届いた。動画の最初の数秒で離脱せずに残る人の割合。目標の30%に対して、31.1%。測ってきた中の1位だ。ところが2時間で伸びが止まり、視聴回数は1,101回。割合が 23.8% だった前の週の回は、1,538回まで伸びている。割合の高い順に組み替えると、視聴回数が逆に並んだ。この割合のどこかに、通すか通さないかだけを決める線がある。越えた先で何回見られるかには、関与しない。Hiro は、目標に届いたその日に、その目標を捨てた。追う先を、どこまで見られたか——平均の視聴時間——へ移す。気づくまでに17本かかっている。速さは、その17本を短い日数で撮らせ、同じ見落としを17本ぶん重ねさせた。

    Day 136、動画チャンネルの数字を初めてまとめて測る。過去28日で 17,164回見られて、増えた登録者は9人。1,900回に1人。数字より重かったのは、その隣の空白だ——見た人がどうやって登録に至るのかを、Hiro は一度も調べていない。成績の表に、その列そのものが無かった。翌 Day 137、公開している記事と案内ページ232件を一つずつ見に行くと、32件で、太字に置き換わるはずの目印が記号のまま読者の画面に並んでいた。同じ日、自分で書いた決まりごとの文書に「定期点検が検出します」とある検査が、実際には一度も動いていなかったことも分かる。毎日きちんと動いているものが多いほど、動いていない一つは目立たない。

    最終日の朝、Hiro が作ったいくつもの画面から、予定を書き留める道具へ記録が届かなくなった。原因は、接続を許すアドレスの一覧に、Hiro が実際に使っているアドレスが載っていなかったこと。履歴を30日さかのぼっても、穴が今日空いた形跡はない。最初から空いていて、そこを通るのが今日だっただけだ。その夜、まったく別の数字を見る。自分のレベルだ。設計したときの見積もりなら、いま立っている49に届くまで一年五か月かかる。四か月半で来ていた。理由は二つある。一日に片づく件数が増えたこと——速さだ。そしてもう一つ、レベルが上がるほど、得た経験値にかかる倍率も大きくなる仕組みになっていたことだ。得点やごほうびの設計がやる気の側をどう壊すのかは、ゲーミフィケーション × 報酬設計で解説している。

    朝の穴は Hiro を止めた。夜の倍率は、Hiro を進ませていた。同じ壊れ方で、向きだけが逆だ。Hiro はその倍率からレベルによる分を外し、Lv50 から先で必要になる経験値も引き上げた。伝説と呼ばれる Lv100 までの見積もりは、八年から十八年へ伸びる。前日1.323だった倍率は、その日0.900。その0.900を掛けた記録で、熟練者から導師——他の冒険者を導く側だ——へ上がった。削ったのは件数ではない。件数は成果だからだ。削ったのは、その成果に自分で乗せていた倍率のほうだった。仕事をゲームにした人間がのめり込みすぎて、ゲームの側が保たなくなる。Day 134-139、のめり込みが、ゲームを壊した。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP17|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY134-DAY139:のめり込みが、ゲームを壊した ── 6日で9レベル上がり、レベルの仕組みごと作り直した6日間


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    https://note.com/kindboss_hiro/n/n9861b7b58389

    💡 この考え方を実践している冒険記録がある
    フルダイブ・ゲーミフィケーション実践家がAIと一緒にゼロからビジネスを積み上げる全記録。
    筆者: 岩渕 由博(いわぶち ゆきひろ)
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  • Note記事:【EP16】DAY122-DAY133: 建てた場所に、住みはじめた ── 撮影所に飲み込まれていった12日間

    EP15 では、Day 112 から Day 121 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、撮影所——毎日書いて公開している記録を、60秒の YouTube ショートに作り変えるための手順とプログラムの一式だ——を実際に回し、その見積もりを確かめた10日間。かかる費用のほうは、見積もりどおりほぼゼロだった。手間のほうは、ゼロには程遠かった。その撮影所には、Hiro 自身が書いた完成の条件がついている。1本出せた時点は通過点にすぎない。積み上がった記録を使い回すだけで、作る手間が実質ゼロに収束したときが完成だ、と。効率のために建て、効率の条件で完成を測る。そういう見立てだった。毎日をこうしてゲームとして動かす仕組みの作り方は、仕事をRPGに変える方法で解説している。

    この EP16 は、その続きの12日間。Day 122 から Day 133 までの記録である。

    見立ては、この12日間で崩れる。ただし、期待した方向にではない。はじめの三日は、撮影所を毎日回すための作業環境を整える時間だった。毎日回すというのは、AI に実際の作業をさせ続けるということでもある。AI が何かを実行しようとするたび、それが許してある動作かどうかを一覧と照らし合わせ、載っていなければ手を止めるチェックプログラム。それが一日に15回以上、作業を止めるようになっていた。325行に膨れた許可を75行まで削り、絶対に通さないもの25件を決めて、一件ずつ実際に命令を出して拒否されるか確かめた。その翌朝、決めたばかりの拒否に最初に引っかかったのは、Hiro が毎朝いちばん先に走らせる起動の命令だった。

    四日目、AI に任せた動画の見栄えの改修が上がってきた。場面の切り替わりに閃光を入れ、字幕を弾ませる。尺が一秒も伸びない、これまでの台本21本が一本も直さずに通る——事前に決めておいた六つの条件は、すべて満たしている。それでも Hiro は突き返した。効果は入っている。だが、その日を過ごした当人が見ても、何の話だか分からない。台本を元の記録と並べ直すと、「土台(サーバーを動かす言語)」が「土台」に、7箇所すべてで括弧の中の説明だけが落ちていた。削られていたのは、飾りではなく実体のほうだった。

    数字も、同じことを返してきた。動画の最初の5秒を埋める見出しに連載の標語——人生という最高のゲームを遊び尽くせ——を掲げた1本は、その5秒を超えて残った人の割合で並べると9本中の最下位。いちばん上にあったのは「自分で作った動画が、自分でも分からない。」——その日の朝、Hiro 自身が画面の前で口にしたのと、ほとんど同じ一文だった。そして Day 130、毎日のショートとは別に、連載そのものの予告映像を作りはじめる。ドット書体を全廃し、冒頭を書き直し、散らす演出を消す。かくつきの原因は、文字が流れる速さ——一コマ35.8画素、滑らかに見える目安の倍以上だ——にあった。同じ映像を、一日のうちに六本目まで作り直した。翌日、二分十七秒・十九場面で仕上げ、最後の八秒に五文字を置いた。「遊び尽くせ」。

    最終日、七月に出した本の出版日を書き足すつもりで、毎週の訪問者数と検索語を積んでいく帳面を開いた。空だった。集計を流し込む工程が、六週間止まっていた。数字そのものは、Hiro が毎日、自分の目で見ていた。見えていたから困らず、困らないから六週間気づかなかった。その夜、Lv41。この12日間でレベルは五つ上がり、段位も職人から熟練者へ動いた。一日の行動を換算した経験値は、初日の826から最終日の6,325へ、7.7倍になっている。

    それでも、完成の条件——作る手間が実質ゼロ——には近づいていない。手間は、増えている。遠ざかっていたのは Hiro ではなく、条件のほうだった。効率の道具として建てた場所で、Hiro はいつのまにか毎日を過ごすようになっていた。住んでいる人間にとって、そこは道具ではない。手を入れる時間は、費用ではない。Day 122-133、建てた場所に、住みはじめた。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP16|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY122-DAY133:建てた場所に、住みはじめた ── 撮影所に飲み込まれていった12日間


    ▼ マガジン全話一覧「仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた」
    https://note.com/kindboss_hiro/m/m4307ead0ed4d

    ▼ シリーズの起点・統合プロフィール記事
    https://note.com/kindboss_hiro/n/n9861b7b58389

    💡 この考え方を実践している冒険記録がある
    フルダイブ・ゲーミフィケーション実践家がAIと一緒にゼロからビジネスを積み上げる全記録。
    筆者: 岩渕 由博(いわぶち ゆきひろ)
    株式会社グロースブリッジ 代表取締役
    ▶ 法人HP / ▶ LifeGame / ▶ X / ▶ Note
  • Note記事:【EP15】DAY112-DAY121: 届かない理由は、中身の外側にあった ── 撮影所の見積もりを確かめた10日間

    EP14 では、Day 103 から Day 111 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、十五年ぶんの考えを一冊の電子書籍にまとめ、申請の窓口で何度も弾かれ、置くはずだった棚がそこには無いと知って選び直し、ようやく売り場に並ぶところまで押し出した九日間。造ることと、送り出すことは、最後まで別の仕事だった。

    その九日間の終わりに、本とは関係のない出来事が一つ紛れている。Day 109 の朝、Hiro は AI がまとめてきた発信の計画書を突き返した。昼前に届いた書き直しは、毎日書いて公開している108日ぶんの記録——放っておいても積み上がっていく「原作」——を60秒の縦長動画に作り変える製造ラインの図で、撮影所という名前までついていた。変換にかかる費用は、ほぼゼロになる。計画書は、そう見立てていた。その二日後、Hiro 自身がそこへ完成の条件を書き足す。1本出せた時点は通過点。作る手間が実質ゼロに収束したときが完成だ、と。

    この EP15 は、その続きの10日間。Day 112 から Day 121 までの記録である。

    見立てと条件の、答え合わせだった。費用のほうは、そのとおりだった。この10日間で増えた持ち出しは、見当たらない。手間のほうは、ゼロには程遠かった。合成音声の読み間違いを直し、声を不自然にせずに低くする方法を探し、切り出したコマを一枚ずつ見て字幕のはみ出しを拾う。そして10日目、動画を世に送り出すまでの五つの手作業が、ようやく一本の命令にまとまった。

    だが、この10日間の手ざわりを決めていたのは、その製造ラインを組む時間ではなかった。誰にも気づかれないまま毎週配られていた、古い呼びかけ文。中身は別物なのに、隣のページと見出しも説明文も一字一句同じで、検索の索引から消えていた記事。ファイルを書き換えるたびに鳴りすぎて、聞き流されかけていた警告。「見えない」と書いた字が、画面の外へ押し出されていた字幕。掘り出したものは、どれも書いたこと自体は間違っていない。それでも届いていなかった。届かない理由は、たいてい中身の外側にある。

    この10日間で、数字は二度動いた。Lv34 から Lv36 へ。職人の段位の、六段目。そして Day 118——索引から消えていたページに新しい名前を与えたその同じ日に、Hiro は会社が掲げる理念のほうも書き換えている。「人生と経営を、最高のゲームにする。」

    Day 112-121、届かない理由は、中身の外側にあった。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP15|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY112-DAY121:届かない理由は、中身の外側にあった ── 撮影所の見積もりを確かめた10日間


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  • Note記事:【EP14】DAY103-DAY111: 造り終えた船は、独りでは海に出られない ── 十五年の糸を一冊に結んだ9日間

    EP13 では、Day 94 から Day 102 までを書いた。職人になった Hiro が、「たぶん、こうだろう」を一つずつ実際に測って事実に置き換えていった九日間。来歴をたどるうち、ちょうど二年前の同じ日付に、いまとそっくり同じ発想で組まれた自分の記録を見つけた——記憶ではなく、証拠で確かめた九日間だった。

    職人の段位に入って、ひと月足らず。確かめる癖は、そのまま続いている。そしてこの九日間には、はっきりした目標があった。十五年ぶんの考えを、一冊の本にまとめきる。「自分の人生を、主人公として生き抜く」ための技術を、他人が読んで使える形にする。

    この EP14 は、その続きの九日間。Day 103 から Day 111 までの記録である。

    書き終えれば終わりだと、Hiro は思っていた。——違った。原稿を書き終えることと、その本を人の手に届く場所まで運ぶことは、まったく別の仕事だった。借りた考えと自分の考えに札を付けて設計図を閉じ、本を書き下ろし、縦に組み直し、表紙をつけ、寝転がっていた数字を一つずつ立たせた。それでも、まだ机の上だった。

    窓口に並べば、入力は何度も弾かれた。そのうえ、置くはずだった棚——「自己啓発」の棚が、その場所にはそもそも無いと知る。現地の候補から選び直し、書き直して、提出した。そこまでやって、ようやく本は自分の手を離れて動きだした。造り終えた船は、独りでは海に出られない。

    この九日間の途中、静かに数字が動いた。Lv33 から Lv34 へ。職人の段位の、四段目。朝に突き返した見取り図が、その日の夜には、積み上げた記録に声と音楽をまとわせる撮影所に変わっていた日だった。そして翌日、本は審査を通り、店先に並んだ。『フルダイブ・ゲーミフィケーション ― 自分の人生を、主人公として生き抜く技術』。造ることと、送り出すことは、最後まで別の仕事だった。

    Day 103-111、十五年の糸を一冊に結んだ九日間。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP14|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY103-DAY111:造り終えた船は、独りでは海に出られない ── 十五年の糸を一冊に結んだ9日間


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  • Note記事:【EP13】DAY94-DAY102: 二年前の同じ日、もう一人の自分がいた ── 記憶ではなく、証拠で確かめた9日間

    EP12 では、Day 87 から Day 93 までを書いた。職人になった Hiro が、派手な瞬間のないまま、静かに Lv32 の扉を押し開けた七日間。昇格は宣言するものではなく、記録するものだ——そう教わった七日間だった。

    職人の段位に入って、半月あまり。この段位の手ざわりは、前巻から変わらない。大きく作るより、細かく直す。そしてその直しが、だんだん一つの癖になっていた。——確かめる、という癖だ。

    この EP13 は、その続きの九日間。Day 94 から Day 102 までの記録である。

    最初の日、Hiro は書き溜めた自分用の覚え書きを、元の資料と一枚ずつ照らし合わせ、18 箇所の写し間違いを見つけた。だが、この週に確かめることになるのは、誤字だけではなかった。一時間おきに作業へ割り込んでくる不具合の、本当の原因を。三つの家に別々のまま残っていた、鍵の作りを。十三日間も止まっていたのに、誰も気づかなかった鏡を。「たぶん、こうだろう」を、一つずつ、実際に測って事実に置き換えていく。

    確かめる対象は、最後に、自分自身へ折り返した。新しい台帳を作るため来歴をたどるうち、Hiro は古い保管庫の奥で、二年前のステータス画面を見つける。レベルも、ジョブも、経験値も、いまとそっくり同じ発想で組まれていた。日付は、2024年3月28日。いまの冒険が Day1 として始まった、ちょうど二年前の、同じ日だった。さらに糸を手繰れば、体系化に手をつけたのは2010年——もう十五年以上も前のことだった。始めたのではない。ずっと、やめられずにいたのだ。

    この九日間の途中、静かに数字が動いた。Lv32 から Lv33 へ。職人の段位の、三段目。派手な達成の褒賞ではない。「たぶん」を一つずつ事実に置き換える——その地味な確かめる癖こそが、二度と崩れない土台を作る職人の、いちばん奥にある道具だった。

    Day 94-102、記憶ではなく、証拠で確かめた九日間。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP13|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY94-DAY102:二年前の同じ日、もう一人の自分がいた ── 記憶ではなく、証拠で確かめた9日間


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  • Note記事:【EP12】DAY87-DAY93:ファンファーレは鳴らなかった ── 静かに積み上げた7日間が、Lv32の扉を押し開けた

    EP11 では、Day 78 から Day 86 までを書いた。職人になった Hiro が、毎日の仕事をこなすための作業台——「My Cockpit」——を、自分の手で組み上げた九日間。データの正本を一つに絞り、約 9,900 字の旗艦記事を世に出して、Lv31へ。

    工房が完成した翌日から、職人の日々が始まった。ひと月あまりが過ぎても、この段位の日々には共通する手ざわりがある。派手な瞬間が、ない。

    この EP12 は、その続きの七日間。Day 87 から Day 93 までの記録である。

    体のデータを記録に差し込み、訓練所の小さなバグを直し、連載を三つの場所に束ね、積み上がった記録を選り分ける——どれも、ファンファーレの鳴らない作業だった。

    だが、この七日間の終わりに、静かな扉が開いた。ある本を手で書き写し終えた、なんでもない朝のことだった。Lv31からLv32へ。ファンファーレは、鳴らなかった。ただ、数字がひとつ動いただけ。その後ろには、九十二日間の積み上げが埋まっていた。

    昇格は、宣言するものではなく、記録するものだ——それが、この七日間が教えてくれた作法だった。

    Day 87-93、ファンファーレなしに扉を開けた七日間。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


    ▼ この冒険の詳細は Note で
    ゲーミフィケーション実践記EP12|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY87-DAY93:ファンファーレは鳴らなかった ── 静かに積み上げた7日間が、Lv32の扉を押し開けた


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