Note記事:【EP20】DAY158-DAY166:名前は読んだ。中身を見ていなかった

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EP19 では、Day 149 から Day 157 までを書いた。自分の会社の毎日を、そのままロールプレイングゲームとして運用している Hiro が、決まりを見直した9日間。やったことは1件ずつ数えて点数に換算し、貯まればレベルが上がり、節目ごとに段位が変わる。動画に使う絵に「模様が細かく字幕が埋もれるから、字幕の出ない場面にしか使うな」という制限が七つかかっていた。誰が、何を見て決めたのかを遡ると、決めた人はいなかった。AI が根拠も付けずに書いた所感が、守るべき決まりとして読まれていた。だから決まりの一つひとつに、誰がいつ決めたかを書く欄を足した。誰が、何を見て決めたのか——その出所を辿れるようにした巻だ。Lv61 だった。

この EP20 は、その続きの9日間。Day 158 から Day 166 までの記録である。

欄は作った。この9日間で出てきたのは、その手前の話だ。Hiro が「確かめた」と言うとき、当てていた相手は実物だったのか。この巻の言葉は実体——名前でも、集計でも、要約でもない、確かめられる現物のこと。Day 158、YouTube に毎日出している縦長の短い動画で、読み上げの声と背景の音楽の重ね方を変えた。重ねる前の素材を測ると、声が音楽より6デシベル大きい。設計どおりで、合格と記録した。ところが聴くと、声が音楽に沈んでいる。音量を測る仕組みは、重ね終わった全体を一つの値で返す。中で声が小さくなり音楽が大きくなっても、総量は合う。実際の差は3デシベルまで詰まっていた。「何を観測するか」を先に決める考え方は、ゲーミフィケーションで自分を観測するで解説している。

Day 159、AI が作った読み上げの異音の直し候補が、三つとも同じに聞こえた。手順書には、直したい語を含む文ごと、全文から合成して鳴らせと書いてある。AI はそれを言い換えて使い、三つとも外していた。言い換えた文には、抜けた印が残らない。Day 160、Hiro が完成前の動画を見る直前に自動で走る点検を書いた。この点検を書く理由になった事故——画面の端に通りすがりの旅人の肩が映り込んでいた——を作り直して掛けると、一件も引っかからない。絵の左端を0、右端を1とすると、カメラが寄り切ったときに映る範囲の左端は0.42。絵のどこに何が写っているかを記録した台帳は、旅人を中心の一点 0.39 だけで持っていた。入り込んでいたのは、旅人の右端 0.45 だった。

山場は Day 162。朝、Hiro は自分の手順書に、決めた覚えのない一行を見つける。「動画に添える音楽は、これまで使った曲の中から選ぶこと」。その朝の作業は、すでにそれに従っていた。毎日の作業記録を端から端まで探すと、出所は三日前に AI が計画書の表へ書いた叩き台だった。Hiro と話して確定した四つの項目と、その隣の叩き台一つを、同じ重さの決まりとして読んでいた。しかも確定していた側には「新しい曲を試さずにいると、在庫は永久に回らない」と、今回の判断を名指しで止める一文があった。読んでいたのに、今回に当てはめなかった。二時間後には、曲を候補から外していた理由も、前に AI が書いた覚え書きだったと分かった。

昼、Hiro は問題の立て方を変えた。一行ずつ直しても追いつかない。夜は、短い動画を作るための手順書9冊、およそ3,800行を全件棚卸しした。決まりを言っている行を機械で1,070行抜き出すと、読んで確かに規則の形をしていたのが845行。そのうち出所を辿れなかったのが573行。一行ずつ「残す・移す・捨てる」の推奨を並べた表を作り、判断の分かれる27件だけを Hiro が決めて、全行の行き先が決まった。9冊は3,801行から1,380行へ。そして、書き換えても動画の出力は1ビットも変わらなかった。減ったぶんは、動画を少しも良くしていなかった。残した一行ずつには、誰がいつ決めたかを書き添えた。この日、レベルが61から62に上がった。

Day 166、AI から届いた「動画が伸びない」という報告に、直近28日の集計を見て「落ちていない」と答えた。集計の期間を7日に縮めると、総再生時間は前の週から64パーセント減っていた。落ち始めたのは9月6日、説明欄の1行目へ「毎日ひとつ、短い動画を作っています」と入れてからだった。この9日間の点数は171,790、一日あたり19,088。レベルに要る点数は一日18,000点を積む前提で決めてあり、前の巻の実測はそれより3割多かった。今回は6パーセント多いだけ。3割は、9日という短い期間だけの値だった。確かめるときに、実物のほうを出してくる。その一手を足して、Lv62。Day 158-166、名前は読んだ。中身を見ていなかった。この冒険の詳細は Note でご覧ください。


▼ この冒険の詳細は Note で
ゲーミフィケーション実践記EP20|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY158-DAY166:名前は読んだ。中身を見ていなかった ── 9日で1レベル、確かめる先を実物へ戻した9日間


▼ マガジン全話一覧「仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた」
https://note.com/kindboss_hiro/m/m4307ead0ed4d

▼ シリーズの起点・統合プロフィール記事
https://note.com/kindboss_hiro/n/n9861b7b58389

💡 この考え方を実践している冒険記録がある
フルダイブ・ゲーミフィケーション実践家がAIと一緒にゼロからビジネスを積み上げる全記録。
筆者: 岩渕 由博(いわぶち ゆきひろ)
株式会社グロースブリッジ 代表取締役
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