EP13 では、Day 94 から Day 102 までを書いた。職人になった Hiro が、「たぶん、こうだろう」を一つずつ実際に測って事実に置き換えていった九日間。来歴をたどるうち、ちょうど二年前の同じ日付に、いまとそっくり同じ発想で組まれた自分の記録を見つけた——記憶ではなく、証拠で確かめた九日間だった。
職人の段位に入って、ひと月足らず。確かめる癖は、そのまま続いている。そしてこの九日間には、はっきりした目標があった。十五年ぶんの考えを、一冊の本にまとめきる。「自分の人生を、主人公として生き抜く」ための技術を、他人が読んで使える形にする。
この EP14 は、その続きの九日間。Day 103 から Day 111 までの記録である。
書き終えれば終わりだと、Hiro は思っていた。——違った。原稿を書き終えることと、その本を人の手に届く場所まで運ぶことは、まったく別の仕事だった。借りた考えと自分の考えに札を付けて設計図を閉じ、本を書き下ろし、縦に組み直し、表紙をつけ、寝転がっていた数字を一つずつ立たせた。それでも、まだ机の上だった。
窓口に並べば、入力は何度も弾かれた。そのうえ、置くはずだった棚——「自己啓発」の棚が、その場所にはそもそも無いと知る。現地の候補から選び直し、書き直して、提出した。そこまでやって、ようやく本は自分の手を離れて動きだした。造り終えた船は、独りでは海に出られない。
この九日間の途中、静かに数字が動いた。Lv33 から Lv34 へ。職人の段位の、四段目。朝に突き返した見取り図が、その日の夜には、積み上げた記録に声と音楽をまとわせる撮影所に変わっていた日だった。そして翌日、本は審査を通り、店先に並んだ。『フルダイブ・ゲーミフィケーション ― 自分の人生を、主人公として生き抜く技術』。造ることと、送り出すことは、最後まで別の仕事だった。
Day 103-111、十五年の糸を一冊に結んだ九日間。この冒険の詳細は Note でご覧ください。
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ゲーミフィケーション実践記EP14|仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた|DAY103-DAY111:造り終えた船は、独りでは海に出られない ── 十五年の糸を一冊に結んだ9日間
▼ マガジン全話一覧「仕事と人生を完全没入型ゲームにしてみた」
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▼ シリーズの起点・統合プロフィール記事
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