探し物に1日36分? デスク・共有フォルダの整理・整頓術

業務改善

「あのファイル、どこだったかな……」「この書類、前にも見た気がするけど……」

こうした「探し物」に、あなたは1日どれくらいの時間を費やしているでしょうか。オフィスワーカーの「探し物時間」は1日平均36分という調査結果があります。年間に換算すると約150時間、つまり約19営業日分です。

前回は、5Sの考え方を事務処理に取り入れる基本をお伝えしました。今回は5Sの最初の2つ、「整理」と「整頓」を、物理的なデスク周りとデジタルの共有フォルダの両面から具体的に実践する方法をご紹介します。

「整理」と「整頓」は別物

まず押さえていただきたいのは、整理と整頓はまったく別の活動だということです。

  • 整理(Seiri): 要るものと要らないものを分け、要らないものを捨てる
  • 整頓(Seiton): 要るものを、使いやすい場所に、誰でもわかるように配置する

多くの職場では「整理整頓しましょう」とひとまとめにされますが、順番が重要です。まず「捨てる(整理)」を行い、残ったものを「配置する(整頓)」。この順序を守らないと、不要なものまで丁寧に並べてしまう「きれいなムダ」が生まれます。

デスク周りの整理 — 「捨てる基準」を持つ

3つの判断ルール

デスク周りの書類や文具について、以下の基準で仕分けしてみてください。

ルール1: 直近3ヶ月以内に使ったか?
使っていなければ「不要」です。「いつか使うかも」は事務処理においてはほぼ「使わない」と同義です。どうしても不安なら、段ボール箱に入れて日付を書き、3ヶ月後に開けなければそのまま処分する「赤札方式」が有効です。

ルール2: 原本が別にあるか?
コピーや印刷物は、原本(データ)が別に保管されていれば処分できます。「念のため」の紙のコピーが積み上がっていませんか。

ルール3: 自分が持つ必要があるか?
他の人も同じ資料を持っている場合、共有の場所に1部だけ残して、個人の手元からは処分しましょう。

デスク周りの整頓 — 「定位置管理」の考え方

整理で残った「要るもの」を配置する際のポイントは、使用頻度に応じた配置です。

毎日使うもの(高頻度): 手を伸ばせば届く範囲に置く。ペン、電卓、よく参照するファイルなど。

週に数回使うもの(中頻度): デスクの引き出しや、すぐ取れる棚に配置する。

月に1回以下(低頻度): 共有の書庫やキャビネットへ移動する。デスク周りに置く必要はありません。

さらに重要なのがラベリングです。引き出しや棚に何が入っているかをラベルで明示する。地味に思えるかもしれませんが、これだけで「あれどこだっけ?」という問い合わせが激減します。

共有フォルダの整理 — デジタルの「捨てる」

物理的なデスクの整理以上に深刻なのが、共有フォルダの乱雑さです。名前のルールがない、古いファイルが大量に残っている、同じファイルの「最新版」「最終版」「本当の最終版」が乱立している。心当たりはないでしょうか。

フォルダ整理の3ステップ

ステップ1: 不要ファイルの一掃
まず、明らかに不要なファイルを洗い出します。完了済みプロジェクトの作業ファイル、期限切れの一時データ、重複ファイルなどです。削除が怖ければ「_archive」フォルダに移動するだけでも構いません。

ステップ2: フォルダ階層を3階層以内に整える
フォルダの階層が深すぎると、誰もたどり着けません。「部署 → プロジェクト → 成果物」の3階層を目安に整理してください。

ステップ3: 棚卸しを定期化する
四半期に1回、15分だけフォルダの棚卸し時間を設ける。終わったプロジェクトのフォルダをアーカイブへ移動し、フォルダ構成が崩れていないかを確認します。

共有フォルダの整頓 — ファイル命名ルールを統一する

整理の次は整頓、つまり「誰でも見つけられる配置」にすることです。共有フォルダで最も効果が大きいのがファイル命名ルールの統一です。

おすすめの命名規則

[日付]_[プロジェクト名]_[内容]_[バージョン]
例: 20260401_A社提案_見積書_v2

日付を先頭に置く: ファイル名でソートすると自動的に時系列順に並びます。「最新版はどれ?」で迷うことがなくなります。

「最終版」は禁止する: 「v1, v2, v3」のバージョン番号で管理します。「最終版」「最終版2」「本当の最終版」という混乱が二度と起きなくなります。

全角・半角を統一する: 地味ですが、検索のヒット率に直結します。チームで「半角英数」に統一するだけで、ファイル検索の精度が格段に上がります。

整理・整頓を「自分だけの取り組み」で終わらせない

整理・整頓の効果を最大化するには、個人の努力で終わらせないことが重要です。

チームで共有すべきは「何を」「どこに」「どういうルールで」管理するかという基準です。これをA4用紙1枚にまとめて壁に貼る(あるいは共有ドキュメントとして共有する)だけで、属人化によるムダが大幅に減少します。

まとめ

整理は「捨てる」こと、整頓は「配置する」こと。この順番を守り、物理デスクとデジタルフォルダの両方に適用するだけで、1日36分の探し物時間は確実に削減できます。

次回は、整理・整頓で整えた環境を維持し続けるための「清掃・清潔・躾」の仕組みづくりについてお伝えします。


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